読書の記録『抗生物質で子どもの病気が治せない』

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読書の記録


抗生物質で子どもの病気が治せない

寺澤政彦, , 2012-03-08, ***--

たいていの細菌をやっつける強力な抗生物質は、人間にとって役立っている細菌まで一網打尽に殺してしまいます。
かりに診断が不確かでも、一応殺菌ができ、しかも副作用が少ない薬は、世界中の医療現場で好んで使われました。そして、原因の細菌を特定しないで使われることが多くなってしまい、いまに至っています。
薬を使った分だけ病院の収益になる時代に、患者さんに院外で飲んでもらう薬も、院内で使う薬も多ければ多いほどいいという風潮が生まれました。
上気道炎、いわゆる風邪の場合、その95%がウィルス感染だといわれています。
急性中耳炎の原因で最も多いのは肺炎球菌です。この肺炎球菌に対する免疫ができるのは、5歳くらいだといわれています。それ以前に、抗生物質で細菌をったいてばかりいれば、当然、免疫はできません。
もし、これまでは「薬があるからなんとかなる」と思って細やかな気配りが欠けていたかもしれない、と思われる方がいらしたら、どうぞ、これを機会にお子さんとのかかわり方を見直してみて下さい。