読書の記録『ブラッド・スクーパ』

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読書の記録


ブラッド・スクーパ

森博嗣, , 2012-07-07, *****

考えるとは、すなわち恐れることだろう。考えるほど恐ろしくなるからだ。考えないものは、なにも恐れない。恐れるから藻掻く。逃れようとする。それを活路という。
「どうしてそんな非道を行うのか。とても人間とは思えません」 「いえ、人間だけです、こんなことをするのは。恐いから、恐れるから、敵を襲うのです。弱いから、刀を振るい、敵を殺そうとするのです」
自分の躰はけっして自在なものではない。 否、それどころか、 自分が考えること、感じること、思うことさえ、自在ではない。
もし、僅かに差があったとすれば、それは己を信じた者の遅れと、己を疑った者の勢い。古きに縋った者と、新しきに懸けた者の差か。
子供には、大人が失ったものがある。それは人間が本来持っているものであるのに、皆が失ってしまい、気づかずにいるものです