読書の記録『海辺のカフカ 下』

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読書の記録


海辺のカフカ 下

村上春樹, , 2004-09-03, ***--

「そこにいると、自分があとに引き返せないくらい損なわれていくような気がしたんです」
『純粋な現在とは、未来を喰っていく過去の捉えがたい進行である。実を言えば、あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ』 「アンリ・ベルグソン」
『<私>は関連の内容であるのと同時に、関連することそのものでもある』 「ヘーゲルは<自己意識>というものを規定し、人間はただ単に自己と客体を離ればなれに認識するだけではなく、媒介としての客体に自己を投射することによって、行為的に、自己をより深く理解することができると考えたの。それが自己意識」
「田村カフカ君、あるいは世の中のほとんどの人は自由なんて求めてはいないんだ。求めていると思い込んでいるだけだ。すべては幻想だ。もしほんとうに自由を与えられたりしたら、たいていの人間は困り果ててしまうよ。覚えておくといい。人々はじっさいには不自由が好きなんだ」