読書の記録『ビンボー主義の生活経済学』

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読書の記録


ビンボー主義の生活経済学

森永卓郎, , 2004-05-20, ***--

「一億なんて安いマンションを買う中途半端な金持ちはいないんですよ」と業者は言い、今後20億円のマンションも登場するのだと自慢します。もちろん3000万円台のマンションも売れてはいるので、正確に言えば、需要が大きく二極分化を始めたということなのです。
(大蔵省に太いパイプを持つ小泉)首相が郵政民営化にこだわっている本当の理由は、郵政事業全体を民営化することによって、金融庁の支配下に置きたいということではないかと私は推測しています。
日本のストックオプションには落とし穴があります。アメリカの場合、権利をもらった本人は、株式を売却した時点で所得税を課税されるのですが、日本では株式を引き受けた時点で、利益相当額が給与所得として課税されるのです。(中略)一見、もらう人に損がない仕組みに思えるストックオプション制度ですが、場合によっては損をすることもあるのです。 >30万円で株式を買う権利を受け取った従業員が、株価300万円になった時点で、権利を行使して株式を30万円で買ったとしましょう。従業員はまだ株を売っていません。したがって実際には1円も手にしていないのです。ところが日本の税制上は300万円で売って270万円の利益を出したとみなして、課税されるのです。この場合約128万円の税金を支払わなければなりません。もし、その後自社株の価格が下落して150万円(それでも30万の5倍ですよ)になって、その時点で売ったとしたらどうなるでしょう?購入価格を差し引いた利益は120万円(150万-30万)。しかし税金は128万円。つまり8万円の赤字になってしまうのです。
ウ゛ェブレン財=値段が高いほど需要が出てくるモノ。