読書の記録『「やりがいのある仕事」という幻想』

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読書の記録


「やりがいのある仕事」という幻想

森博嗣, , 2013-06-13, *****

昔は悩む暇などなかっただけのことで、今は、悩めるだけでも豊かになった証拠では、と認識しているけれど、それを書いたら身も蓋もないか。
「お父さんは、こんなに大変なことをしているのだよ」と子供に言いたがる。実に情けないことだ、と僕は感じる。
仕事というものは、今どんな服を着ているのか、というのと同じくらい、人間の本質ではない。
相談者というのは、回答を聞く以前に、問題を自ら抽象化したことで見えてくる答を、自分の中に既に持っているのである。
忘れるために必要なことは、休んで「やらない」時間を作るのではなく、もっと楽しいことを探してそれを「やる」時間を持つ以外にないだろう。